FXトレードにおいては、
このチャートの形が現れたらチャンス!
というような特徴的なチャートパターンを見つけて売買する手法があります。
そんなチャートパターンとして有名なのが
ヘッドアンドショルダー(三尊)
です。
有名なチャートパターンであるヘッドアンドショルダーですが、トレードで有効に使うためには色々難しい面もあります。
今回はヘッドアンドショルダー(三尊)について、「ヘッドアンドショルダーとはそもそもどんなものか」という話から、「ヘッドアンドショルダーの見つけ方」やヘッドアンドショルダーの特殊ケース(こんな時どうするか)みたいなことを書いていきます。
記事内目次
ヘッドアンドショルダー(三尊)とは?
ヘッドアンドショルダーはトレンドが転換するときに形成されるチャートパターンで、
1つのヘッド(頭)と2つのショルダー(肩)で構成されるチャートパターン
です。
①のようなチャートの形をしています。
①とは逆の形、②のようなチャートは「ヘッドアンドショルダーボトム」と呼ばれます。
日本では別名があり、①を「三尊」②を「逆三尊」と呼ぶこともあります。
このヘッドアンドショルダーの形が現れた後にはトレンドが転換し、
①なら下降局面に、②なら上昇局面になる
と言われています。
またヘッドアンドショルダーの二つの谷の安値で結ばれるラインは「ネックライン」と呼ばれており、このラインがトレンド転換のポイントになるので覚えておきましょう。
ヘッドアンドショルダーはなぜトレンド転換のサインなのか
ヘッドアンドショルダーが形成されるとトレンド転換のサインと言われている理由としては以下の点が挙げられます。
- エリオット波動理論の波動3や波動5が形成された後のトレンド終焉時によく出るものだから
- 投資家の心理的に勝ち組が手仕舞いを考えるタイミングだから
順に説明していきます。
エリオット波動理論の波動3や波動5が形成された後のトレンド終焉時によく出るものだから
チャート分析の手法で有名な理論として「エリオット波動理論」というものがあります。
エリオット波動理論を全部説明すると大変なので、今回の話と関係する部分だけ説明します。
エリオット波動理論の理論の一つに
「チャート相場は波を描きながら動き、その波は5つの上昇の波と3つの下降の波で一つの周期が存在する」
というものがあります。
引用:https://www.gaitameonline.com/academy_chart13.jsp
で、このエリオット波動理論の上昇の波から下降の波へと変わる転換時に発生するのがヘッドアンドショルダーです。
エリオット波動理論は世界中の投資家によく用いられている考え方で、「ヘッドアンドショルダーの形成がエリオット波動理論上のトレンドの転換点」と考えている人が多く存在します。
多くの人に支持されている考え方は実際に投資家達がその動きに合わせた売買を行うので、実際にトレンド転換になりやすくなります。
(補足)
「エリオット波動理論じゃなくてダウ理論でのトレンド転換のサインじゃないの?」という意見いただきましたが、エリオット波動理論自体がダウ理論を基にしているので、要は同じことを言っています。
投資家の心理的に勝ち組が手仕舞いを考えるタイミングだから
以下、ヘッドアンドショルダーが形成される前からエントリーをしている投資家の心理を予想してみます。
まず、ヘッドアンドショルダーが発生する前。
この時点では値段が上がっているので、買いで入っている投資家はまだまだ強気の場面だとおもいます。
次に、1つ目の谷の部分まできた状態。
この場面では一度下げが入ったので、エントリーしている投資家は若干怖がって利確したいと考えている人もいるかと思います。
ただ、まだこの局面が押し目の部分で上昇の途中なのか、このまま下落していくのかはわからない状態です。
その後、以下は2つ目の谷の部分まできた状態。
この状態に関しても投資家はまだ判断が難しいです。
「そろそろ手仕舞いたいけど、直近の高値は更新してるからまだ上がる気がするんだよなー」
という感じで、まだ現状は上昇トレンドの押し目で「この後まだ上がる」と考えている人も多い状況です。
そして、最後、ヘッドアンドショルダーが完成した状態。
この状態であれば、
「高値を更新できずに下がってきた。これは危ない!手仕舞いにしよう!」
という考えが生まれるので、多くの投資家が売りに入っていきます。
このように、ヘッドアンドショルダーは今までポジションを保有していた投資家がポジションを決済してしまいたくなる心理状況と重なるので、トレンド転換のサインとして優位性があるのです。
ヘッドアンドショルダーの見つけ方
ヘッドアンドショルダーを見つける方法ですが、もちろんチャートを見てそれっぽい形を見つけるという方法になります。
しかし、それだけだと
「この小さい波は1つ目の肩の部分にしていいの?」
みたいな微妙な判断のせいで見つけるのが難しいです。
なので、以下にヘッドアンドショルダーを見つける際のポイントを書きます。
ポイント:チャートの波における山と谷を明確に定義する
これは別記事の「ラインの引き方」の時にも同じことを言っていますが、ヘッドアンドショルダーの山を見る際の基準をきっちり決めておく必要があります。
(基準の決め方の詳細な説明は別記事「FXでのラインの引き方」の記事参照)
毎回同じ基準でチャートの波から山、谷を見極めるには
高値、安値を線で結んでくれるツール
を使うのが一番です。
mt4であれば「zigzag」というインジケーターが便利です。
参考 zigzagmt4インジケータ保管庫
これを使えば、チャートの山と谷が視覚化されるので非常にわかりやすくなります。
このようなケースではどうする?
上記の説明にもう少し補足説明をいれていきます。
ヘッドアンドショルダーを活用する際の参考になればと思います。
ヘッドアンドショルダーのだましを回避したい場合
個人的にはヘッドアンドショルダーはきれいな形のものが現れずらいですし、だましも多いという見解を持っています。
で、だましを回避する方法としては
次の山の形成をきっちり確認する
という必要があります。
次の山がネックラインを越えずに反転したならば、明確にヘッドアンドショルダーが機能したといえます。
「そこまで見届けないといけないなら使えない!」という人もいますが、トレンドの最初の転換点がわかればその後の長いトレンドにのることができるので、使えるか使えないかは自分が使用しているロジック次第かなと思います。
ヘッドアンドショルダーが斜めに形成されている場合
ヘッドアンドショルダーはキレイな形で出現するのはまれで、多く発生するのが
ちょっと斜めになっているようなヘッドアンドショルダー
です。
で、これをヘッドアンドショルダーと考えていいのか?
みたいなことで悩む人が多いです。
これに関しては意見は分かれるのですが個人的な見解を話すと私は、
基本的に斜めのものはヘッドアンドショルダーとは考えない。
というようにしています。
というのも、斜めのヘッドアンドショルダーというのは、大抵の場合は別のチャートパターンと同じような形になりやすいからです。
例えば以下のチャートを見てください。
このチャートであれば、斜めのヘッドアンドショルダーが形成されたとみなして以下のようなネックラインを引くことができます。
しかしこれはヘッドアンドショルダーととらえなくてもダブルトップの形ととらえてもよいですし、事前に引いていたトレンドラインを下回ってトレンド転換したと解釈しても問題ないです。
ヘッドアンドショルダーはまれにできる明確なチャートパターンだから価値があると考えています。
なので、ちょっと解釈を柔らかくして「斜めでもヘッドアンドショルダーだ!」とするとそれが強いトレンド転換のサインだと信じることが難しくなるのです。
そういう理由で私は斜めのものはヘッドアンドショルダーと考えないようにしています。
まとめ
ヘッドアンドショルダーは多くの人が意識するポイントなので、ヘッドアンドショルダーを明確にかつ素早く見つけることができれば、トレードでは非常に役に立つかと思います。
ただ、私としてはヘッドアンドショルダーが明確に出るポイントはかなり少ないと感じているので、あくまでトレードの一参考程度として使用しています。
私はそこまで重視はしていませんが、ヘッドアンドショルダーを極めることで利益を出しているトレーダーさんもいます。
なので、がっつりヘッドアンドショルダーを極めたいという人はさらなる研究を重ねてもよいかなと思います。
以上、「ヘッドアンドショルダー(三尊)の見つけ方」に関しての記事でした!
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