今回はMT4(MetaTrader4)とMT5(MetaTrader5)について、それぞれの概要と違い、そしてMT4からMT5に移行するメリットとデメリットを解説していきます。
MetaTrader(メタトレーダー)は、全世界で多くのトレーダーに愛用されているFX取引用のソフトウェアです。
とくに現状はMT4が非常にポピュラーで、日本国内でも多くの人がチャート分析のために使用しています。
しかしMT4は1つ前のバージョンであって、実は最新版はMT5の方なのです。
そしてここで出てくるのが、
「MT4とMT5のどっちを使えば良いの?」
という疑問ですね。
そこで今回は、MT4とMT5の違いやどちらを選ぶべきなのかについて詳しく解説していきます。
これからMetaTrader(メタトレーダー)を使っていこうと考えているなら、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
記事内目次
MetaTrader(メタトレーダー)の概要
MetaTrader(メタトレーダー)は冒頭でもお話ししたとおり
FX取引用のソフトウェア
です。
2000年に活動を開始したソフトウェア開発のリーディングカンパニーであるメタクオーツ社(MetaQuotes Software Corp)からリリースされています。
MetaTrader(メタトレーダー)は無料でダウンロードすることが可能で、しかも以下のような点で非常に優れているため、日本でも多くのユーザーが愛用しています。
- FX業者が提供している取引ツールに比べて自由度が非常に高い
- 動作が軽く、使い勝手が良い
- さまざまなインジケーターを使用することができる
国内のFX業者が提供しているオリジナルの無料取引ツールは、正直なところ使いにくいものがほとんどです。
そのためMetaTrader(メタトレーダー)を使っての注文に対応していないFX業者を使っているトレーダーでも、テクニカル分析まではMetaTrader(メタトレーダー)を利用しているという人が多くいます。
これはあくまでも都市伝説レベルの話ですが、「国内のFX業者はMetaTrader(メタトレーダー)を使われると多くのトレーダーに勝たれてしまって利益が出なくなるから、あえてMetaTrader(メタトレーダー)に対応しないのだ」ということを言い出すトレーダーまでいるほどです。
このようにMetaTrader(メタトレーダー)は優れた取引プラットフォームであり、しかも無料で使えるということから、非常におすすめできるツールなのです。
※MetaTrader(メタトレーダー)のダウンロードはこちらからできます。
【比較】MT4とMT5の違いとは
ここからはMT4とMT5を比較し、その違いを説明していきます。
MetaTrader(メタトレーダー)は非常に優れた取引プラットフォームなのですが、現行ではMT4とMT5の2種類があり、どちらを選べば良いのかと頭を悩ませまるトレーダーは多いです。
ちなみに公式サイトでは、MT4とMT5の違いを以下のように説明しています。
MetaTrader5 MetaTrader4 実行モード 4 3 64ビットバージョン 〇 × サーバーのアーキテクチャ 分散型 モノリシック型 口座グループ 無制限 512 銘柄のグループ 無制限 32 内蔵のルーティング注文 〇 × 注文データベースのサイズ 無制限 1000万まで レポート チャート(HTML5) + 表 表のみ 残高操作タイプ 残高、入金、修正、支払い、ボーナス、手数料、代理店手数料、金利 残高、入金 圧縮ログファイル(ZIP) 自動 × SQL DBへのエクスポート 内蔵(MySQL、MSSQL、Oracle) 制限あり(MySQL) Manager API C++、ASP.Net、PHP C++ Gateway API 〇 × Report API 〇 〇 注文の部分実行 〇 × 注文実行ポリシー Fill or Kill
(全部かゼロか)
Immediate or Cancel
(全部/一部またはキャンセル)
Return (戻る)Fill or Kill 未決注文タイプ 6 4 板注文画面 〇 × 売りの数量と時間についてのデータ(取引所からの) 〇 × テクニカルインディケータ 38 30 グラフィックオブジェクト 44 31 時間軸 21 9 指標カレンダー 〇 × 受信トレイ 〇
ファイルを添付する機能〇
ファイルを添付できません口座間の資金移動 〇 × MQL5.communityの内蔵チャット 〇 × ストラテジーテスター マルチスレッド
+ 多通貨
+ 実際ティックシングルスレッド 多言語標準Unicode 〇 × ネッティング 〇 × ヘッジング 〇 〇 銘柄 無制限 1024 マーケット Forex / 先物市場
/オプション / 株式 /
債券Forex 株式市場取引 〇 × ※引用:MetaTrader5公式サイト
ズラッと比較が並んでいますが、正直これを見ても、結局のところ何がどう違うのかわかりにくいですね。
MT4とMT5の違いについて、私たちトレーダー目線で押さえておくべきなのは以下の3つです。
- 時間足の表示数が違う
- 対応しているカスタムインジケーターやEAの数が違う
- 対応しているFX業者の数が違う
これらの違いはトレードをするうえでの使い勝手に大きく関わってきます。
逆を言うと、ここを理解しておけばMT4とMT5のどちらを使うべきなのかが見えてくるということです。
それでは1つずつ解説していきましょう。
MT4とMT5の違い1.
時間足の表示数が違う
MT4とMT5では、表示できる時間足の数が以下のように全然違います。
MT4(9種類) | 1分足、5分足、15分足、30分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足 |
MT5(21種類) | 1分足、2分足、3分足、4分足、5分足、6分足、10分足、12分足、15分足、20分足、30分足、1時間足、2時間足、3時間足、4時間足、6時間足、8時間足、12時間足、日足、週足、月足 |
このように、MT5はMT4に比べてかなりの数の時間足を表示することができるのです。
ただ、だからといってMT5の方が優れていると考えるのは早計かもしれません。
なぜなら現状はMT4の方が圧倒的にシェアが多いため
MT4に存在していない時間足はそもそもあまり意識されていない
からです。
そのためMT5を使っていても、結局メインで見るのはMT4に存在している時間足になります。
そういう意味では、使える時間足の多さは必ずしも長所であるとは言えないわけですね。
MT4とMT5の違い2.
対応しているカスタムインジケーターやEAの数が違う
対応しているカスタムインジケーターやEAの数は、MT4の方が圧倒的に多いです。
というのも実は、MT4とMT5には互換性がありません。
お互い、MQL4、MQL5という別のプログラミング言語を使っているため、MT4のカスタムインジケーターやEAを使うためにはMQL4からMQL5に書き直さなければいけないのです。
しかもMQL4よりもMQL5の方がプログラミングの難易度が高いため、MT5に対応しているカスタムインジケーターやEAがなかなか増えないという現状があります。
そのためカスタムインジケーターやEAを使いたいという場合には、現状、MT4の方が選択肢が多いのです。
MT4とMT5の違い3.
対応しているFX業者の数が違う
MT4とMT5の間には、対応しているFX業者の数にも違いがあります。
2020年2月時点の国内業者でいうと以下のとおりですね。
◆MT4対応FX業者
- 楽天証券
- OANDA Japan
- ゴールデンウェイ・ジャパン(FXTF)
- 外為ファイネスト
- EZインベスト証券
- FOREX EXCHANGE
- FOREX.com
- サクソバンク証券
- アヴァトレード・ジャパン
◆MT5対応FX業者
このように、MT5は対応しているFX業者がまだまだ少ないです。
しかしMetaTrader(メタトレーダー)の提供元であるメタクオーツ社は、MT5の方を普及させようと動いていますので、今後はどんどんMT4と入れ替わっていく可能性もあります。
事実、メタクオーツ社が行っているアップグレードの回数はMT5の方が多いです。
また、直接MT5による取引ができなくても、対応業者でデモ口座を開けばテクニカル分析に使うことはできます。
FX業者が対応していないからといって、まったく使い道がないというわけでもないのです。
結局MT4とMT5のどっちを使うべきか?【移行するメリットとデメリット】
結局のところMT4とMT5のどちらを使う方が良いのかという点ですが、
現状ではMT4の方が使いやすい
です。
MT4からMT5に移行する場合、以下のようなメリットとデメリットが発生します。
◆MT4 → MT5に移行するメリット
- 動作スピードが早い
- インターフェイスが改善されており、操作性が良い
- 公式アップデートの回数が多い
◆MT4 → MT5に移行するデメリット
- 対応しているFX業者が少ない
- 対応しているカスタムインジケーターやEAが少ない
- 必要なマシンスペックがやや上がる(そこまで大きな差はない)
中でもやはり気になるのが、対応しているFX業者、カスタムインジケーター、EAが少ないという点です。
これはそのまま、MT4よりMT5の方がシェアが少ないということを意味しています。
そのため、現状は多くの人が使っているMT4の方が安定して使っていけますね。
とはいえ今後は最新版であるMT5が普及していく流れも十分に考えられます。
なので、今使っているFX業者がMT5に対応しだしたり、シェア率が上がったりしてきたら、その時点でMT4からMT5への移行を考えれば良いでしょう。
【まとめ】現状はMT4を使うのがおすすめ
今回はMT4とMT5の概要や違いについて解説をしてきました。
MT4からMT5への移行にはメリットもデメリットもありますが、
現状ではまだまだMT4の方が主流である
と言えます。
そのためどちらを使おうか迷っているのなら、今のところはMT4を使っておけば問題ありません。
ただし、MT5の方が最新版ではあるので、今後はシェアが入れ替わってくることが予想されます。
そのときが来たら、MT4からMT5への移行を考えれば良いでしょう。
コメントを残す