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今回はエリオット波動理論について、基礎的な部分をわかりやすく解説していきます。
エリオット波動理論は、「ラルフ・ネルソン・エリオット」が提唱した株式投資についてのテクニカル理論です。
株式投資のテクニカル理論として生まれたエリオット波動理論ですが、もちろんFXにも転用することができます。
エリオット波動理論に学的な根拠はなく、あくまでも経験則によって生まれた理論です。
しかしその優位性の高さから、世界中で多くのトレーダーが参考にしています。
そして多くのトレーダーが意識しているということは、
それだけチャートもエリオット波動理論の影響を受ける
ということです。
そこで今回の記事では、エリオット波動理論の基礎的な知識やトレードでの使い方をわかりやすくまとめていきます。
エリオット波動理論について詳しくは知らないなら、ぜひ今回の記事を参考にしてください。
※ちなみにエリオット波動理論はダウ理論を基に構成されています。
ダウ理論については別記事で詳しく解説していますので、よろしければそちらの方も併せて確認してください。
記事内目次
エリオット波動理論の基礎
エリオット波動理論とは、チャートの波形に
「5つの上昇波と3つの下降波から成り立っている一定のパターン」
が表れることを示す理論のことです。
ただ言葉で言われてもイメージしにくいかと思うので、以下の画像を参考にしてみてください。
このように、上昇5波動と下降3波動が1つのセットとなって相場に表れるチャートパターンをエリオット波動といいます。
またエリオット波動は、以下の画像のように長期、中期、短期においてそれぞれ表れることも多いです。
(画像引用:Wikipedia)
画像内では、1番上の波形が長期チャート(1日足など)で、きれいなエリオット波動を描いています。
次に真ん中の波形は中期チャート(1時間足など)です。
中期チャートでは、長期チャートにおける「1,2」などで構成される山の中で上昇5波と下降3波が存在するエリオット波形を描いています。
そして1番下が短期チャート(5分足など)です。
こちらも中期チャートにおける山1つに対して上昇5波と下降3波が存在するエリオット波形を描いている形です。
このようにエリオット波動は、長期、中期、短期で同時に発生することもあります。
(補足)エリオット波動理論で最低限覚えておくこと
エリオット波動理論は本気で理解しようと思うと、ものすごい勉強量が必要となります。
本ページで解説するのもエリオット波動理論の本当に基礎的な部分だけですが、それでもかなりの勉強量になってしまいます。
FXの様々な手法において考えの基になっていることが多いので理解しておくほうがよいですが、理解するのが難しいと感じてしまう人は、最低限以下のことは覚えておいてください。
- エリオット波動理論は相場チャートによく出現するチャートパターンやその法則を解説したもの
- よく出現するチャートパターンから「トレンドが転換するのか」「そのまま現状のトレンドが継続するのか」の予測を立てて、トレードの判断材料として使う事ができる
本サイトでは様々なFX教材を紹介していますが、
「エリオット波動理論のこの部分が使われているんだな」
みたいなことがよくあります。
なので、何かFXの教材を勉強していてエリオット波動のことが出てきた際にこのページを見返して勉強してもらえればと思います。
以下、もう少し詳しくエリオット波動理論のことを解説していきます。
エリオット波動理論の3原則
エリオット波動には、以下のように3つの基本原則があります。
- 上昇第1波、第3波、第5波の中で、上昇第3波が1番短くなっていない
- 上昇1波の上昇幅よりも上昇第2波の下落幅が上回っていない
- 上昇4波の下落幅が上昇第1波の高値を割り込んでいない
この3つの原則に反するような形になっていた場合、それはエリオット波動ではありません。
エリオット波動を確認するためにも、この3つの基本原則はしっかりと押さえておきましょう。
エリオット波動理論のおける「フェイラー」と「エクステンション」
エリオット波動理論には、「フェイラー」と「エクステンション」という状態があります。
- フェイラー……上昇第5波の高値が上昇第3波の高値を超えられない状態
- エクステンション……波動が上昇第5波や下降第3波を超えていく状態
フェイラーが発生した場合、トレンドの力が弱く、そこがトレンド転換の起点になる可能性が高いと判断することができます。
一方エクステンションは、トレンドの勢いが強いときに発生する形です。
エリオット波動理論を構成する基本的な6つのチャートパターン
エリオット波動を形成するチャートのパターンは、以下の6つに分類することができます。
- I波動
- V波動
- Y波動(逆ペナント、ブロードニング)
- P波動(ペナント、トライアングル)
- N波動
- S波動(ロールリバーサル)
この6つのチャートパターンについて、1つずつ解説していきましょう。
エリオット波動のチャートパターン1.
I波動
I波動は1本の線による単純な上昇、下落の形です。
上がるか下がるか、というだけのもっとも基本的な形ですね。
エリオット波動のチャートパターン2.
V波動
V波動は、上昇からの下落、下落からの上昇といった形です。
下落からの上昇の場合、その名のとおり「V」の形になります。
エリオット波動のチャートパターン3.
Y波動
Y波動は上昇と下落を繰り返しつつ、徐々にその値幅が大きくなる形です。
エリオット波動のチャートパターン4.
P波動
P波動は上昇と下落を繰り返しつつ、徐々にその値幅が小さくなる形です。
Y波動の逆パターンであると言えますね。
エリオット波動のチャートパターン5.
N波動
N波動は、I波動とV波動を合わせたもので、その名のとおり「N」のような形状となります。
エリオット波動のチャートパターン6.
S波動
S波動はサポートラインやレジスタンスラインをブレイクしたときに表れる形です。
ブレイクしたことにより、サポートラインやレジスタンスラインの役割が転換することになります。
エリオット波動に表れるトレンド転換とトレンド回帰のパターン
エリオット波動理論では、トレンドが転換するのか、それともそのままトレンドが継続するのか、という判断が非常に重要となります。
たとえば上昇第5波から下降第1波へと移行するさいには、トレンド転換の形が表れることが多いです。
もしくは上昇第2波から上昇第4波への流れで言えば、一時的に下降するものの上昇トレンドは終わっていないため、エリオット波動では多くの場合、トレンド回帰の形になります。
このようにトレンド転換の形やトレンド回帰の形を知っておけば、エリオット波形をより正確に察知し、把握することができるのです。
そこでここからは、トレンド転換のさいに出現しやすい5つのパターンとトレンドに回帰するさいに出現しやすい5つのパターンを紹介していきます。
エリオット波動を意識するなら、ぜひ覚えておいてください。
エリオット波動に表れるトレンド転換の5パターン
トレンド転換するときに出現しやすいパターンは、以下のように5つあります。
- ヘッドアンドショルダー
- ダブルトップ(ダブルボトム)
- ソーサー
- ライン
- スパイク
それぞれ以下のような形です。
◆ヘッドアンドショルダー
※ヘッドアンドショルダーについては詳しく解説している記事がありますので、そちらも参考にしてみてください。
◆ダブルトップ(ダブルボトム)
◆ソーサ―
◆ライン
◆スパイク
これらの形がチャート上に表れた場合は、トレンドが転換する可能性が高いと判断することができます。
ただ、必ずしも転換するというわけではなく、ダマシが発生することもあるので、過度の信頼はしない方が良いでしょう。
エリオット波動に表れるトレンド回帰の5パターン
トレンド回帰する場合は、以下の5つのパターンが出現しやすいです。
- トライアングル
- ブロードニングフォーメーション
- ペナント
- フラッグ
- ウェッジ
それぞれ以下のようなチャートになっています。
◆トライアングル
◆ブロードニングフォーメーション
◆ペナント
◆フラッグ
◆ウェッジ
このような形がチャート上に表れた場合は、トレンドが同じ方向に回帰し、そのまま継続する可能性が高いと判断することができます。
ただしトレンド転換と同様で、これらの形が出たからといって必ずしもトレンドが続くというわけではありません。
あくまでも参考の1つであると認識しておきましょう。
エリオット波動理論を参考にしたトレード
エリオット波動理論を参考にしてトレードをする場合、以下の2つのエントリーポイントがわかりやすいです。
- 勢いの強い上昇第3波を狙ってエントリーする
- トレンド転換のタイミングを狙ってエントリーする
この2つのエントリーポイントを上手く見つけることができれば、優位性の高いトレードができます。
それでは1つずつ解説していきましょう。
勢いの強い上昇第3波を狙ってエントリーする
上昇第3波はもっとも勢いが強くなりやすいため、上手く狙うことができれば大きな利益を取ることができます。
具体的には以下のような場所で、上昇第1波から上昇第3波での「トレンド回帰の形」を確認してエントリーをしてください。
ただ図を見ていただければわかるとおり、エントリーポイントの段階ではまだ上昇第1波と上昇第2波しか確定していません。
そのため判断材料が非常に少なく、エリオット波動の形になるかどうかわからない状態でエントリーすることになります。
そのため、上昇第3波を狙うならほかの手法と組み合わせて狙う方が無難であると言えるでしょう。
トレンド転換のタイミングを狙ってエントリーする
エリオット波動理論では、トレンド転換のタイミングを狙ってエントリーすることもできます。
以下のように、下降第3波を狙いに行く形ですね。
下降第3波を狙うということで、すでにエリオット波動の形はほぼ確認できる状態です。
その状態で「トレンド転換の形」を確認してエントリーしていきます。
エリオット波動理論と相性が良いインジケーター
エリオット波動理論を参考にしてトレードをするなら、チャートの方向性を視覚化してくれる「zigzag」というインジケーターを使うのがおすすめです。
「zigzag」はチャートの高値と安値を直線で結ぶインジケーターで、下の画像のようにチャートの山と谷を視覚化することができます。
このように「zigzag」を導入してラインを視覚化すれば、エリオット波動の出現により気づきやすくなります。
「zigzag」は以下からダウンロードできるので、MT4を使っているならぜひ導入してみてください。
参考 zigzagmt4インジケーター保管庫【まとめ】エリオット波動は多くのトレーダーに意識されている
今回はエリオット波動理論の基礎的な解説とトレードでの活かし方をわかりやすく解説してきました。
エリオット波動理論はダウ理論を基に作られており、多くのトレーダーに意識されているチャートの波形パターンです。
上手く使いこなすことができれば、優位性の高いトレードを行うことができます。
ただ一方で、エリオット波動理論だけを参考にしてトレードをするのは危険です。
なぜなら多くの人が意識している理論であるからこそ、多くの負けトレーダーと同じ動きをしてしまう可能性も高くなってしまうからです。
そのためエリオット波動理論については、ほかの手法と組み合わせ、さらにエントリーする場所を精査したうえで使うことをおすすめします。
エリオット波動理論は、ほかの手法と組み合わせて上手く使うことができれば、トレードの優位性を大きく高めることができます。
実際、さまざまな手法で取り入れられている理論なので、ぜひこの機会に理解しておいてください。
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