今回はIG証券が提供するノックアウトオプションについて説明をしていきます。
ノックアウトオプションとは、FXと似たような取引ができ、かつFXにはない魅力がある金融商品のことです。
とくに、国内口座なのにFXよりもかなり大きなレバレッジをかけることができるということで、トレーダーからの注目を集めています。
それこそ上手くやれば、実質1000倍相当のレバレッジをかけることも可能です。
そこで今回はこのノックアウトオプションについて、以下のような内容でお話をしていきます。
- ノックアウトオプションとは?
- ノックアウトオプションと通常FXの違い(メリット、デメリット)
- ノックアウトオプションの評判
FXトレードをしている、もしくはこれからしようと考えているな、ぜひ1つの選択肢として知っておいてください。
記事内目次
【IG証券】ノックアウトオプションとは?
ノックアウトオプションとは、IG証券が提供するオプション取引の一種です。
ちなみにオプションとは、あらかじめ決められた期間において一定のレートや価格で取引する権利のことをいいます。
ノックアウトオプションについては、注文時に必ずロスカット(損切りライン)を置かなければならないFX取引を思い浮かべるとわかりやすいです。
ただ正確には通貨取引をしているわけではなく、以下のような条件を持った金融商品(取引する権利)を購入するということになります。
- 通貨ペアや株式の銘柄を決め、「ブル(上昇)」か「ベア(下降)」かのどちらかを決めたうえで買い注文のみを行うことができる(あくまでも金融商品の購入であるため、売り注文を入れることはできない)
- ノックアウトオプションの取引価格は実際の相場と同じ変動をする
- ロスカット(損切りライン)を絶対に決めなければならず、その価格になった時点で強制的に権利を執行しなければならない
たとえば「ドル円で110円のときにベア(下降)」のノックアウトオプションを購入すると考えてみてください。
このとき買ったノックアウトオプションは、ドル円が110円のときにショートポジションでエントリーしたのと同じ価格変動をします。
たとえば相場が動いてドル円が109円になったタイミングでノックアウトオプションを売却すれば、1円分の利益を獲得することができるということです。
逆にドル円が111円になったときに売却すれば、1円分の損失となります。
そしてもう1つ、ノックアウトオプションが持つ大きな特徴が、購入時に必ずロスカットを入れなければならないというものです。
ちなみにノックアウトオプションでは、このロスカットのことを「ノックアウトレベル」といっています。
このノックアウトレベルはもちろん途中で消すことができませんし、最初に決めた価格から変動することもできません。
仮に相場がノックアウトレベルを設定した価格まで動いてしまった場合、強制的にノックアウトオプションを売らなければならなくなってしまうのです。
そしてもしノックアウトレベルに引っかかって強制ロスカットになってしまった場合は、ノックアウト・プレミアムというスリッページ保証金(200円)が追加でかかってくることになります。
このようにノックアウトオプションはあくまでも金融商品であり、投資をする場合はそれを購入するという仕組みです。
ただ感覚的には、普通のFX取引と似た感じで取引をすることができるでしょう。
ノックアウトオプションと通常FXとの違い
ここからはノックアウトオプションと通常のFX取引を比較し、その違いをメリット、デメリットに分けて解説していきます。
ノックアウトオプションは「注文時に必ずロスカット(損切りライン)を置かなければならないFX取引」に近いイメージである、という説明をしました。
しかし、それでもいくつか違うところはあります。
そしてその違いは、メリットと呼べるものもあればデメリットと呼べるものもあるのです。
だからこそノックアウトオプションを検討している場合は、FX取引との違いについてはよく理解しておく必要があります。
FX取引と比べたときのノックアウトオプションのメリット
まずは通常のFX取引に比べてノックアウトオプションにはどのようなメリットがあるのか、というところから説明していきます。
ノックアウトオプションにおける大きなメリットは以下の2つです。
- 投資効率が高い
- スリッページが発生しない
それでは1つずつ解説していきます。
ノックアウトオプションのメリット1.
投資効率が高い
ノックアウトオプションはFX取引に比べてかなり投資効率が良いです。
というのもノックアウトオプションの場合、FXで必要となる維持証拠金が必要となりません。
必要となるのは「ノックアウトレベルで強制ロスカットされたときの損失」+「ノックアウト・プレミアム」分の金額だけなのです。
そのため日本口座では25倍までしかレバレッジが効かないFXより、少ない資金で大きな利益を狙うことができます。
それこそノックアウトレベルの位置によっては、レバレッジ換算で1000倍にも届くほどです。
しかもそのうえでノックアウトオプションは「申告分離課税」となってるため、税金はどれだけ利益を出しても一律約20.315%だけで済みます。
これがFXの場合、レバレッジの高い海外口座を使うと「累進課税」になってしまうため、利益額によっては50%ほどの税金を持って行かれてしまうのです。
この税金の仕組みについても、ノックアウトオプションの投資効率を押し上げる大きな要因となっています。
FX取引よりもノックアウトオプションを選ぶ人の多くは、この投資効率の高さに魅力を感じているということですね。
ノックアウトオプションのメリット2.
スリッページが発生しない
ノックアウトオプションではノックアウト・プレミアムという補償金を支払うため、スリッページが発生しません。
それがFXの場合、急激な値動きがあった場合には決済をするときに価格が滑ってしまうことがあります。
たとえば急激な値動きによってロスカットラインに届いた場合、設置していたラインよりもさらに大きな損失を出す価格まで滑った状態で決済されてしまうのです。
そのスリッページがあまりに大きい場合は、口座に入れている資金だけでは損失額の補てんができず、追加入金を求められる「追証」となってしまいます。
その点ノックアウトオプションはスリッページが発生しないため、事前に最大損失額を把握しておくことができます。
言い方を変えれば、ノックアウトオプションではノックアウトレベルで設定した損失額以上の損失が発生し得ないということです。
そのためノックアウトオプションは、リスクを自分でコントロールすることができます。
投資をするうえで、発生し得るリスクを限定できるということは非常に大きなアドバンテージであると言えるでしょう。
FX取引と比べたときのノックアウトオプションのデメリット
ここからは、通常のFX取引と比べたときのノックアウトオプションのデメリットについて説明していきます。
ノックアウトオプションにおけるデメリットは、以下の3つです。
- スプレッドがやや広い
- 指値注文ができない
- ノックアウトレベルの変更ができない
それでは1つずつ解説していきます。
ノックアウトオプションのデメリット1.
スプレッドがやや広い
ノックアウトオプションはFX取引に比べてスプレッドがやや広いです。
たとえば同じIG証券のドル円で比較した場合、FXのスプレッドが0.2pipsであるのに対し、ノックアウトオプションの場合は0.6pipsとなります。
またノックアウトオプションのスプレッドは大きく変動することもあり、取引画面での確認を怠ると想定以上の手数料を取られてしまうこともあるので注意が必要です。
ノックアウトオプションのスプレッドについてはしっかりと確認をするようにしましょう。
ノックアウトオプションのデメリット2.
指値注文ができない
ノックアウトオプションでは指値注文を入れることができません。
そのため注文を入れるさいには成行き注文で入れる必要があります。
指値注文を多用するトレーダーにとっては、大きなデメリットであると言えますね。
一方、決済に関しては指値を入れておくことができます。
そちらはFXと同じです。
ノックアウトオプションのデメリット3.
ノックアウトレベルの変更ができない
前述しましたが、ノックアウトオプションではノックアウトレベル、つまりロスカットラインを途中で変更することができません。
実はこれは結構大きなデメリットです。
とくに裁量トレードをやるようなトレーダーの場合、相場の動きに合わせて戦略的にロスカットラインを動かす人もいます。
しかしノックアウトオプションでは、そのようなことができないのです。
ただ考え方を変えれば、強制ロスカットが嫌でついついロスカットラインを広げて損失を大きくしてしまう、ということもできなくなります。
ロスカットができずに損失を広げてしまうというトレーダーは多いので、そういう意味ではデメリットばかりであるとは言えないかもしれませんね。
ノックアウトオプションの評判、口コミ
ここからは、実際にノックアウトオプションで取引をしている人の評判、口コミを調査しましたので、そちらを紹介していきます。
以上がノックアウトオプションに関する評判、口コミです。
まとめると以下のような感じですね。
◆良い評判、口コミ
- ハイレバレッジで取引できるのが魅力
- 追証がなく、リスクを限定できるのが良い
- 一律20%ていどの税金が魅力
- 資金が少ない人にとっては魅力的
- 損切りができない人にとっては使いやすいのではないか
◆悪い評判、口コミ
- 取引ツールが使いにくい
- 約定力の低さが気になる
- スキャルピングはできない可能性が高い
良い面もある反面、やはり悪い面もあるようです。
メリットとデメリットについてはよく見比べ、自分のトレードにとってノックアウトオプションが有用かどうかを判断する必要がありますね。
【まとめ】
今回はノックアウトオプションというIG証券の金融商品についてお話をしてきました。
ノックアウトオプションならFXと違い、国内口座で実質レバレッジ1000倍相当の取引もできるということで、日本のレバレッジ規制が25倍になってからは多くのトレーダーに注目されています。
実際、評判や口コミを確認していても、やはりこの投資効率の高さに魅力を感じている人が多いようでした。
とはいえもちろん、ノックアウトオプションにはFXにはないデメリットも存在しています。
ノックアウトオプションを活用するなら、そのメリットとデメリットをきちんと理解したうえで行うようにしましょう。
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